【ライフリスト】母の願いを胸に歩む“自分探しの旅”|あらすじ・ネタバレ・キャストインタビュー

映画

Netflixで配信中の『ライフ・リスト(原題:The Life List)』は、心がじんわり温まるクラシックなロマンスコメディ映画です。
派手なアクションや過激な演出はなく、静かで優しいストーリーが私たちの心に語りかけてくれます。

あらすじ

物語の主人公は、ソフィア・カーソン演じるアレックス・ローズ。母の死をきっかけに、13歳の頃に書いた目標一覧、“ライフリスト”を実行する旅に出ます。そのリストには、「”白鯨”読破」や「タトゥーを入れる」といった小さな夢から、「父と和解する」「真実の愛を見つける」といった心に触れるような項目までが並びます。

彼女が一つずつリストをこなしていくたびに、母からのメッセージが入ったDVDが届き、次第に自分自身を見つけていきます。

登場人物

・アレックス(ソフィア・カーソン):主人公
・エリザベス(コニー・ブリットン):アレックス達の母
・ジュリアン(フェデリコ・ロドリゲス):アレックスの兄
・キャサリン(レイチェル・ツァイガー=ハーグ):ジュリアンの妻(アレックスの義姉)
・ルーカス(ダリオ・ラダニ・サンチェス):アレックスの兄
・ゾーイ(マリアンヌ・レンドン):ルーカスの妻(アレックスの義姉)
・ブラッド(カイル・アレン):エリザベスの遺言執行を担当する弁護士
・ニーナ(マリア・チョン):ブラッドの彼女
・フィン(マイケル・ローランド):アレックスの恋人(冒頭)
・ギャレット(セバスチャン・デ・ソウザ):アレックスの恋人(中盤)

⚠️ここからがっつりネタバレ

アレックスは、母エリザベスが創業した会社「ローズ・コスメティクス」でマーケティング責任者として働いています。
安定した仕事に就き、そばには素敵な恋人もいて、周囲から見れば順風満帆な日々。
本当の夢ではないけれど、「夢なんていつか破れるもの」と心のどこかで割り切りながら、忙しい日常をこなしていました。

そんなある日、母エリザベスの病気が再発し、余命わずかであることが判明します――。

母亡き後、新社長として会社を継ぐのアレックスであると誰もが思っていました。
しかし、遺言執行者の弁護士ブラッドから告げられた遺産の内容は、
母の会社については子供達の持ち株は各20%ずつ。
残りの株とCEO/マーケティング責任者の座は兄・ジュリアンの嫁であるキャサリンへ渡されました。
アレックスは遺言状を通して会社を解雇され、遺産もありませんでした。

弁護士のブラッドから別途渡されたDVDを家に帰って見てみると、母からアレックスへのメッセージが。

母キャサリンが身辺整理をしていた時に見つけたアレックスの「ライフリスト」には、
13歳のアレックスが立てた目標がたくさん書かれていました。

・「白鯨」読破
・人を助け社会を変える
・いい教師になる
・タトゥーを入れる
・スタンダップコメディに出演
・プロバスケ選手と1on1
・月夜のキャンプ
・ライブで最前列を取る
・「月の光」を弾けるようになる
・パパと仲直り
・真実の愛を見つける
ーーーなどなど。


母キャサリンは「(そのリストを見て)そこから新しい目標を見つけられたのか心配になった。夢や情熱を持つことを諦めてしまったのでは?私が楽な仕事を与えたせいであなたは自分自身から逃げてしまったのでは?」とビデオの中で語りかけます。

そして母から課された内容は以下の通り。

・「ライフリスト」の項目を1月1日までにすべて実行すること
・1つ達成するごとに新しいDVDが渡される
・リストにある全ての項目を達成したら遺産の詳細が書いてある封筒を貰える。
・期限内に達成できなかったら封筒の中身を見ることはできない(遺産もなし)

このことを家に帰って恋人のフィンに話しますが、軽いノリであれやこれやとふざけた提案をしてくる彼に憤ったアレックスは彼との別れを決めます。

そしてスタンダップコメディに出演する、教師になる、などのリスト項目をどんどん実行していくアレックス。

そんな中、アレックスは衝撃の事実を知ります。
実は母エリザベスには過去に浮気相手がいて、アレックスの本当の父親は、これまで父として育ててくれた男性ではなく、“ジョニー”という別の人物だったのです。
アレックスは弁護士のブラッドに手伝ってもらい本当の父親を探し始めます。

一方で、職場の同僚ギャレットと恋人関係になり、順調に見える日々を過ごしますが、リストの中にある「真実の愛を見つける」にはどうしてもチェックを入れることができずにいました。

そんなある日、ついに実の父親・ジョニーの居場所が判明したという知らせが届きます。

アレックスは当初、恋人のギャレットと一緒に会いに行く予定でしたが、前日に大きなケンカをしてしまいます。代わりに、弁護士のブラッドとその恋人ニーナと共にバーモントへ向かうことに。

ところが、ニーナは仕事の都合で急きょニューヨークへ戻ることになり、アレックスとブラッドの2人だけでジョニーが働いているというお店を訪れることになります。
そしてついに、実の父・ジョニーとの対面を果たしたアレックス。

ジョニーはアレックスの名前を聞いた瞬間に娘だと気づき、自分がかつて彼女と母・エリザベスのために曲を作ったことや、彼女が幼い頃に家の前まで会いに行ったことがあると語ります。
短い時間ではあったものの、親子の間に確かなつながりを感じたアレックスははしゃぎ、その夜はブラッドと一緒に飲みに出かけました。

気持ちが高まったまま、アレックスとブラッドは体の関係を持ってしまいます

翌朝、アレックスはジョニーと朝食を共にする約束をしていたため、先にホテルを出てレストランで待っていました。
しかし、約束の時間になってもジョニーは現れませんでした――。

重苦しい空気の中バーモントからの帰路に着く二人。
そして話題は、避けて通れない昨晩の出来事に及びます。
「2人とも恋人がいるのに、あんなことをするべきではなかった。昨日のことは過ちだった」と言うアレックスにブラッドは「確かにギャレットは素晴らしい男だが、君はギャレットのことを愛していない」核心を突くような言葉を返します。
その一言に傷ついたアレックスは怒り、2人は口論の末に気まずく別れてしまいます

その後、アレックスはギャレットとも話し合いの末、別れに至ります。

実家に戻った彼女は兄たちと一緒に庭でリスト項目の一つ「月夜のキャンプ」を実行し、お互いの秘密を打ち明け合い、素直に心を通わせる時間を過ごします。

また、これまで向き合うことのできなかった育ての父親とも改めて会い、穏やかな表情で語り合う2人の姿から心の中にあったしこりが少しずつ溶けていく様子が窺えます。

最終的に、「真実の愛を見つける」以外のすべてのリストを達成したアレックスは、再び弁護士事務所を訪れます。
全ての項目を達成できなかったので、封筒はもらえないと思っていたアレックスの前に封筒が差し出され、「“真実の愛”は期限内に探すものじゃない。妥協さえしなければ良い」と母からのメッセージを代わりに弁護士から告げられたのでした。

そこに記されていたのは、母から贈られた“遺産”の内容。
それは母と一緒に暮らした思い出が詰まった“家”でした。

そして母キャサリンからの最後のビデオレターには
「人生は美しくて厄介で複雑。思ってたのと全然違う時もある。でもそれでいい。
いつも勇敢に進み続けてほしい。真実の愛は努力する価値のあるもの。」

と言う愛のメッセージが残されていました。

アレックスはブラッドに会いに行き、自分の気持ちを打ち明けます。

アレックスが最終的に結ばれる相手は、彼女を支える弁護士のブラッドですが、物語の中で彼女は別の人物ギャレットとも恋人関係になります。そこがこの映画のユニークな点のひとつ。
単なる「運命の相手」との出会いではなく、うまくいかない恋も、彼女にとって大切な“人生の一部”として丁寧に描かれているのです。

主人公のアレックスを演じるソフィア・カーソン自身もこの描写についてこのように語っています。

「アダム(監督)は、誰も悪者にしない形でキャラクターたちを描いてくれました。ギャレット(アレックスの恋人)も、アレックスの旅の一部だったけれど、ただ“彼女には合わない相手だった”というだけ。理屈では合っていそうに見えたのに、実際は違った。それを演じるのは本当に楽しかったです。」

この映画の中ではいくつかの愛が描かれますが、冒頭のセリフにある「愛のテスト」もとても興味深いです。
1.彼に本音を言える?
2.彼は優しい?
3.彼はあなたを最高の自分にしてくれる?
4.彼を自分の子の父親にしたい?

恋愛を通じて、自分にとって本当に大切なものだけでなく“合わないもの”にも気づいていく――それは、人生の成長においてとてもリアルで共感できるプロセス。
だからこそ、この映画はより深く、観る人の心に響くのかもしれません。

またソフィアは、このアレックスの旅について、こうも語っています。

「アレックス・ローズは、私たち全員の姿だと思います。人生は複雑で混沌としていて、時に自分を見失ってしまう。だからこそ、自分を取り戻すこの旅にはとても力があるんです。」

彼女自身もまた、子どもの頃に夢見ていたことの多くを叶えてきたそうで、その中にはあのアンドレア・ボチェッリとの共演や、UNICEF親善大使としての活動も含まれています。夢は、大きなものでなくてもいい。手が届く現実的なものだからこそ、人生を豊かにしてくれる――そんなメッセージがこの映画には込められています。

まとめ

『ライフリスト』は、大きな劇的展開や予想外の展開があるわけではありませんが、日常の中にある小さな一歩や「好きなもの」の大切さを、丁寧に描いてくれる映画です。
静かに心を癒したいとき、自分を見つめ直したいときに、ぜひ観てほしい一本です!

ちなみに海外の映画レビューサイト「Rotten Tomato」では特にソフィア・カーソンの演技に対する賞賛の声がたくさん見受けられました。彼女の主演映画「パープルハート」もとっても良い映画なのでおすすめです🎵

“You Know It’s the Big Scene and There’s a Certain Pressure”: ’The Life List’s Sofia Carson on Nailing the Perfect Rom-Com Moment Even When Nothing Is Going Right
Carson also talks about the unexpected success of 'Purple Hearts' and whether there could ever be a sequel.
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