Netflixで公開され話題を呼んでいるアニメ映画「超かぐや姫!」。
超古典の「竹取物語」をモチーフにしていながら予想外の展開の連続で一気に引き込まれました。
ストーリー内に残された謎も多かったので、自分なりに考察してみたいと思います。

あらすじ

舞台は少し先の近未来。
AIライバーのヤチヨが作った仮想空間「ツクヨミ」がみんなの遊びの場となっている。
ツクヨミではみんなが表現者として活動し、人の心を動かしたら運営から「ふじゅ〜(電子マネー)」がもらえる。
ある日、突如電柱から現れた宇宙人の赤ちゃん(かぐや)を見つけ一緒に暮らすことになった女子高生・彩葉(いろは)は、成長したかぐやと一緒にツクヨミの世界でライバーとして活躍していく。
考察
⚠️ここからはネタバレを含みます!未視聴の方はUターン推奨です。
⚠️個人の解釈&考察であり、公式情報ではありません
大丈夫な方はこのままスクロールしてください
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かぐやの正体は?

かぐやは何らかの電子生命体だったと推測できます。理由は下記
・月でのかぐやの様子がドット絵で表現されている
・かぐやの発言「(月は)マジでつまんない。決められた役割をずっと繰り返すだけ。」
さらに、「(月では)かぐやだけ浮いてた」という発言や、彩葉へ「好き」という感情を持つことは、電子的存在としては明らかに「異端」であり、いわゆる「バグ」であると言えます。
このバグを正しいルート/規律に戻すために現れたのが「お迎え」だったと考えられます。
かぐやとヤチヨの関係は?

物語の終盤で、「かぐや」=「ヤチヨ」であることが明かされます。
しかし、作中では童時代のかぐやと、8000年後の姿であるヤチヨは2人とも同時に存在しており、
これはドラえもんやシュタインズゲートと似た世界観(過去や未来の自分に会いに行ける)になっています。
アンドロイドかぐやの中身は?

10年後、彩葉は電子工学の研究を続けた結果、かぐやをアンドロイドとして現代に甦らせます。
このかぐやの中身はどこから来ているのでしょうか?
最初はヤチヨの電子データをアンドロイドかぐやのボディに移植したのかと思いましたが、
アンドロイドとして復活したかぐやは明らかに童時代のかぐやで、今のヤチヨとは口調が違います。
また、ヤチヨが自分とかぐやのことを「私たち」と称していることからも、この作品では
「ヤチヨとかぐやは元は同じ魂でも、それぞれ違う人物として生きていく」
という前提で終始物語が進んでいると考えた方が馴染みそうです。
人格や口調の違いについて深掘りして考えてみると、
ヤチヨの思い出話の中で、8000年前に犬DOGEの体(ウミウシ)から発言をしているかぐやは、明らかに彩葉と一緒に暮らしていた童時代のかぐやと同じ口調でした。
おそらく、かぐやが8000年の間にいろいろな人と出会い、経験と時間を重ねて形成された人格=今のヤチヨとなり口調も変わったのでしょう。
8000年分の経験と記憶の有無が異なれば、全く別の人間と言ってもいいくらいの変化があることは納得できます。
そうなると、アンドロイドかぐやの中身として考えられるのは
・タケノコ型ロケットを復元し、彩葉も時間を超えることに成功した
=「8000年前の地球に不時着したかぐや」を助けに行くことができた
・タケノコ型ロケットのデータから「8000年前のかぐや」を抽出・再現することに成功した
などの可能性が挙げられます。
「月の超テクノロジーは時間も越えられる」ため、研究を続けた彩葉がそのテクノロジーに少しでも近づき時間を越える何らかの方法を編み出していても不思議ではありません。
その結果、この世界線では「アンドロイドかぐやの魂は、ヤチヨとは違い8000年もの間、地球で1人で時間を過ごすことなく、現代に戻って来れた」と考えられます。
ただ、「かぐやが月から地球へ移動する時の事故は避けられない」まま物語が進んでいる可能性が高いです。
かぐやが電子的存在であることを考えると、彩葉が月(電子の世界)に行くことは不可能そうですし、
ヤチヨの「私たちは同じ輪廻を巡る輪から外れることはできない」という発言からも、
過去〜未来の間で変えられないポイントが存在していることが分かります。
ラストシーンの意味を考察&解説
ラストシーンでは彩葉・かぐや・ヤチヨの3人でライブをしている姿が描かれています。
このシーンにも謎が多く残るため、一つ一つ考えていきます。
ヤチヨが中に浮いているのはなぜ?
ラストシーンでヤチヨは宙に浮いている&発光していることからも、「電子の存在」のままであることが分かります。
前述したように、この作品の中では「かぐや」と「ヤチヨ」は別の存在として進むと考えると、
ヤチヨは今後も電子の世界でヤチヨとして生きていくのでしょう。
ただ、ヤチヨは「触れたらあったかいのかなっていつも思うんだ」「また彩葉とパンケーキ食べたいなあ」と体を得ないと実現できないことについても言及しているため、これがヤチヨにとってハッピーエンドなのかどうかは疑問が残ります。
エピローグでも「これってハッピーエンドだと思う?」という問いかけがあった通り、視聴者に想像が委ねられている部分の一つです。
彩葉の会話「8000年ぶり」の意味は?
ラストのライブシーンでの
かぐや:「(ライブ)久々すぎ〜!」
彩葉:「8000年ぶり?」
ヤチヨ:「ヤッチョは先週ぶり〜!」
という会話からも、ヤチヨとアンドロイドかぐやが完全に同じ存在ではないことが分かります。
前述した通り、アンドロイドかぐやの中身が「8000年前の地球に不時着した時のかぐやが救出された」とすると、一度8000年前の地球に行ってから現代に戻ってきているため、「8000年ぶり」という発言も自然です。
FUSHIがヤチヨに「眠って」と指示を出してくるのはなぜ?
FUSHIが「人の体で耐えられるかわからない」と心配するほど膨大な8000年分の記憶(データ)がヤチヨの中には蓄積されており、ヤチヨが自分のことを「おばあちゃん」と言っていることからも、ヤチヨ自身の老朽化が進み、負荷が大きくなってきている可能性が考えられます。
定期的に休息を取らないと、活動維持が難しいのでしょう。
お迎えがくる日にかぐや達がツクヨミに入ったのはなぜ?
かぐやの月からのお迎えが来るにあたり、
お迎えはツクヨミを通してやって来る。(月はツクヨミの世界と酷似しているため)
さらに、「お迎え」は現実世界には直接干渉できない。

それが分かっていたのなら、ツクヨミに入らず、現実世界にいれば逃げられたのでは?という疑問が残ります。
それでもツクヨミに入った理由は、かぐや自身が月に帰ることを全面的に受け入れていたため、彩葉はその意思を尊重したのではないかと考えられます。
下記のかぐやの発言からも、かぐや自身が月に帰ることを受け入れている&帰りたい気持ちがあることが分かります。
・「(ブレスレット)着けていると落ち着くんだよね。故郷(ふるさと)って感じ」
・「もうお家に帰らなくちゃ。帰れなくなっちゃう」
ただ、もしツクヨミ空間でお迎えを追い返すことができたなら、まだかぐやが地球で暮らせる希望も残っているため、彩葉は応戦した
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みんなが自由に自分のやりたいことをやろうとしていたため、
ライブ前のかぐやの「みんな、自由だ!」発言に繋がった
と推測できます。
かぐやの髪色の変化
かぐやの髪色は元々はアッシュのような色でしたが、ツクヨミの世界で金髪の姿でアバターを作って以降、かぐやは現実世界でも髪色を金髪にしています。(自分の意思で即時に見た目を変えられるようです)
ただ、彩葉が熱を出したときは元のアッシュ色に戻っており、これはかぐやが彩葉を心配するあまり元に戻ってしまった(髪色を変える余裕がなかった)とも考えられます。
まとめ
Netflix映画「超かぐや姫!」は、古典へのオマージュでありながら、
時間・存在・記憶という壮大なテーマを内包した物語でした。
物語が終わったあとも、彩葉・かぐや・ヤチヨの時間はどこかで続いていて変化を重ねている。
そう思わせてくれる余韻こそが、この作品のいちばんの魅力なのかもしれません。
キャラクターの心情など映画ではしょられている細部を知りたい方&公式設定を読んで世界観への理解を深めたい方は小説版とガイドブックどちらもおすすめです!





